WebやSNSでは伝わらない?デジタル時代に高まる「体験型販促」の価値
2026年8月29日
スマートフォンの普及により、私たちの購買行動は大きく変わりました。
気になる商品を見つけたら、その場で検索する方が多いと思います。
SNSで評判を調べる。口コミやレビューを確認する。複数の商品を比較して、場合によってはそのままECサイトで購入する。
最近ではこのような行動が当たり前になっています。
企業側でも、Web広告やSNS、動画、SEO、メールマーケティングなど、デジタルを活用したマーケティングや販売促進に力を入れています。
デジタルには、時間や場所を問わず多くの人へ情報を届けられるという大きなメリットがあります。さらに、閲覧数やクリック数などをデータとして把握しやすく、ターゲットを絞って情報を届けることもできます。
ただし、どれだけデジタル技術が進歩しても、画面越しでは十分に伝えられないものがあります。それが、私たちの「五感」を通して感じる体験です。
「おいしそう」と「おいしい」は違う
例えば、SNSでおいしそうな料理や飲み物の写真を見て、「一度食べてみたい」「飲んでみたい」と思った経験はないでしょうか。
最近では写真だけでなく、動画によって湯気や食感、調理の様子までリアルに表現できるようになりました。
しかし、どれだけきれいな写真や動画を見ても、その商品の本当の味や香りを感じることはできません。
「甘さはどのくらいなのか」
「香りは強いのか」
「口当たりはどうなのか」
「食感は自分の好みに合っているのか」
こうした感覚は、最終的には自分自身で体験してみなければ分かりません。
特に食品や飲料は、味覚だけで判断しているわけではありません。
商品を見たときの色や形、パッケージなどの「視覚」。
封を開けた瞬間に広がる「嗅覚」。
口にしたときの味を感じる「味覚」。
食感や温度などを感じる「触覚」。
さらに、商品によっては開封するときの音や、食べたときの音などの「聴覚」も商品の印象に影響します。
つまり、私たちは五感を使いながら商品を体験しているのです。デジタルマーケティングは商品を「知ってもらう」ことには非常に優れています。
しかし、商品を実際に「感じてもらう」ことについては、リアルな体験にしかできないことがまだ数多くあります。
デジタル時代だからこそ重要になる「リアルタッチポイント」
マーケティングでは、企業や商品と顧客が接する場所や機会を「タッチポイント(顧客接点)」と呼びます。
Webサイト、SNS、Web広告、メール、ECサイトなどもタッチポイントです。
一方、店舗やイベント、展示会、販売スタッフとの会話など、顧客が現実の場で商品や企業と接する機会を「リアルタッチポイント」と考えることができます。
デジタル化が進むと、「リアルな接点は必要なくなるのではないか」と考えがちです。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
むしろオンライン上の情報が増えたからこそ、実際の商品に触れたり、人から直接説明を受けたりする体験が、商品の印象を大きく左右することがあります。
例えば、Web広告を見て商品を知った消費者が店舗を訪れ、そこで商品を手に取る。
SNSで見かけた食品をスーパーで見つけ、試食してみる。
ネットで気になっていた飲料を試飲し、販売スタッフから商品の特徴やおすすめの飲み方を聞く。
こうした一連の購買行動では、デジタルとリアルは別々に存在しているわけではありません。
デジタルで商品を知り、リアルで体験し、購入を決める。
反対に、
店頭で商品を体験し、その後WebやSNSで詳しく調べて購入する。
というケースもあるでしょう。
これからの販促では「デジタルかリアルか」という二者択一ではなく、それぞれの特性を生かしながら顧客体験や購入までのプロセスを設計することが重要になります。
試食・試飲は「買う前の不安」を小さくする
リアルタッチポイントを活用した販促の代表的なものの一つが、試食・試飲販売です。
スーパーや百貨店、商業施設などで試食・試飲を経験したことがある方も多いでしょう。

試食・試飲販売というと、「その場で商品を食べてもらい、購入してもらうための昔ながらの販促」というイメージを持たれるかもしれません。
しかし、顧客体験という観点から考えてみると、それだけではない価値が見えてきます。
特に新商品や、これまで購入したことがない商品には、
「自分の好みに合うだろうか」
「本当においしいのだろうか」
「買って失敗したくない」
といった心理的なハードルがあります。
商品説明や広告を見ただけでは、この不安を完全になくすことは難しいでしょう。
そこで、購入する前に一口試してもらいます。
実際に味や香り、食感などを確かめてもらうことで、「分からない商品」だったものが「自分で体験した商品」へと変わります。
「思っていたよりおいしい」
「この味なら家族も好きそう」
「初めて飲んだけれど、自分の好みに合っている」
こうした実体験は、購入を検討する際の大きな判断材料になります。
試食・試飲販売は、単に商品を配る販促ではありません。
購入前の不安を、実際の体験によって取り除くための販促ともいえるのです。
「人」がいるから伝えられる価値
さらに、試食・試飲販売には、商品を味わってもらうだけではない大きな特徴があります。
それが「人」とのコミュニケーションです。
弊社では、マネキンスタッフによる試食・試飲販売を行っています。
スタッフは商品を提供するだけではなく、その商品の特徴や魅力、食べ方・飲み方などをお客様へ直接お伝えします。
例えば食品であれば、
「こちらはどのように調理するとおいしいですか?」
「子どもでも食べられますか?」
「どんな料理と合わせるのがおすすめですか?」
といった質問を受けることがあります。
飲料であれば、
「どのくらい冷やしたらいいですか?」
「どんな料理と合いますか?」
「ほかの商品とは何が違うのですか?」
など、お客様によって知りたいことは異なります。
Webサイトの商品説明は、基本的にはすべての人に同じ情報を提供します。
しかし、人による接客であれば、お客様の反応や質問に合わせて、その場で伝える内容を変えることができます。
これはリアルタッチポイントならではの大きな特徴です。
専門知識が「試飲」を「体験」に変える
弊社のスタッフの中には、ソムリエの資格を持つスタッフもいます。
例えばワインの試飲であれば、ただ「飲んでみてください」と提供するだけではなく、そのワインの特徴や香り、味わい、料理との相性などについて専門的な知識を交えながら説明することができます。
同じ一杯を試飲する場合でも、
「このワインはこのような特徴があります」
「この料理と合わせると、より楽しめます」
「この温度帯で飲むと、この商品の特徴を感じやすくなります」
といった説明が加われば、お客様が商品から受け取る情報量は大きく変わります。
商品を口にするだけなら「試飲」ですが、そこに専門的な説明や会話が加わることで、「新しいことを知った」「商品の楽しみ方が分かった」という体験になります。
ここに、これからの試食・試飲販売を考えるうえで重要なポイントがあります。
商品そのものだけでなく、商品をどのように体験してもらうかまで設計するという考え方です。
お客様にとって記憶に残るのは、必ずしも商品のスペックだけではありません。
「説明を聞いて商品のことがよく分かった」「知らなかった楽しみ方を教えてもらった」
「自分に合う商品を薦めてもらった」
といった、人とのコミュニケーションを含めた体験が、商品への理解や興味につながることがあります。
つまり、販売スタッフは単に商品を提供する人ではなく、商品の持つ価値を「体験価値」に変えて伝える役割を担っているともいえるでしょう。
お客様の「生の反応」が得られることもリアルの強み
試食・試飲販売には、もう一つマーケティング上の大きなメリットがあります。
それは、お客様の反応をその場で見ることができることです。
商品を口にした瞬間の表情や、
「思ったより飲みやすい」「もう少し甘いと思っていた」「この価格なら買ってみたい」
「こういう料理にも使えそう」
といった言葉。
こうした反応は、クリック数やアクセス数といったデジタルデータだけでは把握しにくい情報です。
もちろんWebアンケートやレビューなどからも消費者の意見を集めることはできます。
しかし、商品を体験した直後に自然に出てくる言葉や表情には、リアルな場だからこそ得られる情報があります。
販売スタッフが現場で受けた質問を集めてみると、「お客様が商品のどこを理解できていないのか」が見えてくることもあります。
また、購入しなかったお客様との会話から、価格、容量、味、使い方など、購入をためらう理由が見えてくることもあるでしょう。
こうした情報をメーカーや販売店へフィードバックできれば、試食・試飲販売は単なる販売促進にとどまらず、顧客の声を集めるマーケティングの場としても活用できます。
デジタルとリアルは競争相手ではない
ここまでリアルな体験の重要性についてお伝えしてきましたが、これは「デジタルよりリアルの方が優れている」という意味ではありません。
大切なのは、それぞれが得意なことを理解することです。
デジタルには、多くの人に短時間で情報を届けたり、興味・関心に応じて情報を提供したり、動画やSNSを使って商品の世界観を伝えたりできる強みがあります。
リアルには、実際に味わう、香りを感じる、商品に触れる、人と会話するといった強みがあります。
例えばSNSやWeb広告で新商品の存在を知ってもらい、店頭で試食・試飲を実施する。
試食したお客様にQRコードからレシピや詳しい商品情報を見てもらう。
店頭で興味を持った商品を、後からECサイトで購入してもらう。
さらに購入後、SNSやWebサイトを通じて商品の楽しみ方を継続的に伝える。
このように考えれば、
「デジタルで知る」→「リアルで体験する」→「デジタルで関係を継続する」
という顧客体験をつくることもできます。
オンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、一つの顧客体験としてつなげていくことが、これからの販促ではますます重要になるのではないでしょうか。
五感に届く販促は、これからもなくならない
AIをはじめとしたデジタル技術の進歩によって、企業と消費者とのコミュニケーションは今後も変化していくでしょう。
商品の説明文をAIが作り、画像や動画を生成し、一人ひとりに合わせた商品を提案する。そんなマーケティングも、さらに身近になっていくと考えられます。
しかし、技術がどれだけ進歩しても、
実際に味わって「おいしい」と感じること。香りを感じること。商品を手に取ること。
目の前のスタッフから話を聞き、新しい商品の魅力や楽しみ方を知ること。
こうした五感や人とのコミュニケーションを通した体験には、リアルだからこその価値があります。
情報があふれるデジタル時代だからこそ、商品について「知っている」だけでなく、実際に「体験した」という記憶をつくることが、商品やブランドを選んでもらうきっかけになるかもしれません。
試食・試飲販売をはじめとする体験型販促も、単にその場で商品を販売するための施策としてではなく、企業とお客様をリアルにつなぐ大切なタッチポイントとして改めて考えてみてはいかがでしょうか。
▼企業様の販売促進やイベントプロモーションのご相談を
承っております。お気軽にお問い合わせください。
-----------------------------------------------------------
株式会社 マップス
〒453-0055 愛知県名古屋市中村区香取町1丁目30番地1
TEL:052-411-5670 FAX:052-411-5668
ホームページURL:http://www.s-maps.jp/
-----------------------------------------------------------














