スマホの次はメガネ?スマートグラスが変える営業と販促の未来
2026年6月30日
最近、家電量販店へ行くと、「スマートグラス」という言葉を目にする機会が増えてきました。「名前くらいは聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
少し前までのスマートグラスは、どちらかといえば一部のIT好きやガジェット好きのための製品というイメージがありました。価格も高めで、できることも限られていたため、一般にはまだ縁遠い存在だったように思います。
ところが、この1〜2年で状況が少し変わってきています。
思い返せば、スマートフォンも登場した当初は、一部の人だけが使うものという見方がありました。それが今では、仕事でも暮らしでも欠かせない存在になっています。
スマートグラスも、まだ普及の入り口に立っている段階でしょう。Appleがスマートグラスの販売計画を延期したとの報道もあり、市場全体としては、まだ本格的な普及期に入る前段階にあると見ることができそうです。
だからこそ、今は導入を急ぐというよりも、今後どのように進化し、ビジネスに活用されていくのかを見守りながら理解を深めておきたい時期なのかもしれません。
スマートグラスとは何か
スマートグラスを簡単に表現すると、「メガネ型のウェアラブル端末」です。
見た目は普通のメガネとほとんど変わらない製品もありますが、その内部にはカメラやマイク、スピーカー、小型ディスプレイなどが搭載されています。インターネットやAIと連携できる機種も増えてきました。
例えば、音声で質問すると必要な情報を調べてくれたり、外国語を翻訳したり、写真や動画を撮影したりできます。
つまり、スマートフォンを取り出さなくても、その場で必要な情報にアクセスできるわけです。
こうした手軽さが、スマートグラスならではの魅力と言えるかもしれません。
ARグラスやVRヘッドセットとの違い
スマートグラスと似た言葉に、「ARグラス」や「VRヘッドセット」があります。
AR(拡張現実)グラスは、現実の風景にデジタル情報を重ねて表示する機器です。目の前の商品に説明を表示したり、目的地までの案内を表示したりといった使い方ができます。
一方のVR(仮想現実)ヘッドセットは、視界全体を仮想空間へ切り替える装置です。ゲームのほか、シミュレーションや研修などでも活用されています。
それに対してスマートグラスは、比較的日常に近い形で情報の取得やコミュニケーションを支援するためのデバイス、と考えると分かりやすいでしょう。
もっとも、最近ではAR機能やAI機能を組み合わせた製品も増えており、それぞれの違いは以前ほどはっきりしなくなってきています。
「まだ実用的ではない」という評価が変わり始めている
これまでのスマートグラスには、いくつかの課題がありました。
価格が高いこと、バッテリーの持ち時間が短いこと、そして用途が限られていることなどです。
そのため、「面白い技術だけれど、実際に使う場面が思い浮かばない」と感じる人も少なくありませんでした。
しかし最近は、生成AIの進化によって状況が変わり始めています。
音声で質問すれば必要な情報を探してくれる。会話の内容を要約してくれる。さらに、外国語をリアルタイムで翻訳する。そうした機能を備えた製品も登場しています。
もちろん、スマートフォンほど広く普及しているわけではありません。
それでも、「実際に役立つ場面が見え始めている」という点は、見逃せない変化ではないでしょうか。
ニュースが示した技術の進歩
数年前に受験生がスマートグラスを使って試験問題を撮影し、外部に送信して解答を求めていたというニュースが話題になりました。
言うまでもなく、不正行為そのものは許されるものではありません。
ただ、この出来事は別の事実も私たちに示しています。
それは、一見すると普通のメガネと変わらない見た目でありながら、撮影や通信ができるところまで技術が進歩しているということです。
新しい技術は、使い方によって社会に良い影響も悪い影響も与えます。
だからこそ、技術そのものを否定するのではなく、「この技術を自社ならどう活用できるだろうか」という視点で考えてみることが大切なのだと思います。
販促や営業活動はどう変わるのか
では、スマートグラスは今後の販促や営業活動をどのように変えていくのでしょうか。
まず考えられるのが、多言語でのコミュニケーションです。
外国人観光客や外国人労働者が増えるなか、日本語だけでは対応が難しい場面も少しずつ増えています。
もしリアルタイム翻訳の精度がさらに高まれば、接客や商談のハードルは大きく下がるかもしれません。
営業の現場でも活用が期待されています。
例えば、訪問先で過去の商談履歴や製品情報を音声で呼び出せれば、資料を探す手間が減り、顧客との会話により集中できるようになるでしょう。
店舗であれば、商品情報や在庫状況の確認、接客支援などへの応用も考えられます。
さらに展示会やイベントでは、来場者に商品説明や動画、ARコンテンツを提供するなど、これまでとは違った顧客体験につながる可能性もありそうです。
まずは「知っておく」ことが大切
スマートグラスがスマートフォンのように広く普及するのか。それは、まだ誰にも分かりません。
それでも、家電量販店の売り場で普通に見かけるようになったことを見ると、市場がゆっくりと動き始めているのは確かなようです。
生成AIの普及によって、「AIをどこで使うのか」という段階に入りつつある今、その受け皿の一つとしてスマートグラスへの関心が高まっているのも自然な流れなのかもしれません。
数年後に振り返ったとき、「そういえば、いつの間にか使う人が増えていた」と感じる存在になっている可能性もあります。
経営者や販促担当者にとって大切なのは、今すぐ導入を決めることではないでしょう。
まずは、こうした変化が起き始めていることを知ること。そして、自社ではどのような活用方法が考えられるかを、一度想像してみることではないでしょうか。
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