イベント開催における新型コロナウイルス感染症予防対策について
2021年9月28日
現在のワクチン接種状況
日本におけるワクチン接種の状況は、2021年の9月時点で、1回目の接種完了者が全体の約6割、2回目の接種完了者が約5割となっています。
65歳以上では1回目完了が90%、2回目完了が88%なので、ワクチンほぼ行き届いたことが分かります。男女別に見てもその差はあまり開きがないので、高齢者を中心に、男女を問わず幅広い年代でワクチン接種が進んだといえます。
3回目接種の話も進んでいますが、いずれにしても、高い接種率がもたらす効果に期待できることは間違いないと思われます。大規模接種会場の整備などにより、全国的に高い水準で接種が進められているので、国民のほとんどにワクチンが行き渡るのは時間の問題でしょう。ワクチンとともに、世界中では治療薬の開発も進んでいるので、状況は良くなりつつあると言えます。
これからのイベントの開催について
長いこと外出を控える我慢が必要だった日本では、飲食業・観光業・イベント業などにおいて新型コロナウイルス流行の影響は甚大で、経済的にも今までと同じ対策を続けていくことは難しくなってきたため、これからは新型コロナウイルスとの共存を念頭に置き、感染拡大防止を徹底させながら経営をしていく必要性が出てきています。
今までは、緊急事態宣言が発出された場合はイベントを中止してきましたが、最近では緊急事態宣言発令中でもイベントが開催されることが多くなってきています。
感染拡大防止対策ガイドラインの策定と遵守が大切
イベントの開催には、感染拡大防止が必要不可欠です。大切なことは、行政や業界団体が出しているガイドラインを参考に策定することと、その遵守にあるといえます。行政や業界団体は、より安全なイベントを開催するために積極的な情報提供を行っています。そこから出されたガイドラインを参考にしつつ、イベントに合わせた策定を行うことがポイントです。
もちろん、ガイドラインを策定するだけでは十分と言えないので、いかにお客様にルールを守ってもらうかが肝心です。ルールを守ってもらうためには、イベント主催者自らが感染拡大防止対策のガイドラインを明確にして、それを守る姿を見せることが大切です。
「ルールが守られるならばイベントは開催される」、その事実がお客様の間で周知されていけば、やがて中止になるイベントは減っていくことでしょう。ガイドラインはお客様だけでなく、出演者やイベントそのものを守ることにもなるので、それを遵守することが重要です。
イベント当日だけではなく、前後の日程も含めた対応を徹底する
イベント当日は、検温や手指消毒が基本的な対応となるでしょうが、前後の日程も含めて徹底的に対策することが大切です。
例えば出演者のPCR検査を積極的に行い、スタッフを含めた全員のマスク(もしくはフェイスシールド)着用も現実的な対策だと言えます。また、Peatixなどのツールを利用して事前申込制にする、これもイベントを安全にコントロールするのに役立ちます。誰でも簡単に申し込める、または参加できるようにしてしまうと、当日に想定を上回るお客様が押し寄せて、イベント主催者が対応できなくなる恐れがあります。
現在は新型コロナウイルス感染症が蔓延しており、無対策では大きなリスクがあるので、できることを徹底して対策することがイベント開催の前提条件となります。
「ワクチン・検査パッケージ」導入の動きに注目
日本経団連が「ワクチン接種記録(ワクチンパスポート)」の早期活用を求める動きや、読売旅行が「ワクチン・検査パッケージ」を導入しようとする動きが見られます。旅行の本格的な再開に向けての取り組みですが、イベント業界においてもこれらの動向を注視する必要があるといえるでしょう。
読売旅行のワクチン・検査パッケージの導入とは、ワクチン2回接種済み、もしくは、PCR検査や抗原定量検査で陰性の人のみが参加できる添乗員つきツアーを意味します。つまり、感染のリスクが低いことや感染していないことを証明すれば、ツアー旅行に参加できるということです。この取り組みが上手くいけば、旅行と同様にイベントの需要回復に期待がかかるので、イベント主催者にとって朗報と言える動きです。日本経団連が、ワクチン接種記録(ワクチンパスポート)の早期活用を求めていることも、後押しになるものと考えられます。
ただし、上手くいくかは実際にやってみないと分からないことも多く、成功が確認されるまではどうなるかが未知数なのも確かです。もし、この取り組みが成功すればイベント開催もワクチンの2回接種や検査による陰性証明で参加できる気運が高まる可能性があるので、目が離せない動きと言えます。
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